手術についてSurgery

私の整形外科のこれまでとこれから

早いもので、整形外科医として開院時で19年の月日が経ちました。これまで、学んだのは、特に手の外科・末梢神経・一般外傷が中心でした。中でも、骨折の治療に関しては、以前の整形外科的医療と比べると飛躍的な進歩を実感しております。

私が専門とする手の外科の分野でも、特に橈骨遠位端骨折の治療はめざましい進歩がみられます。つい3~4年前までは、転位(骨折のずれ)の大きい骨折や整復位(元の状態)を得られない骨折等が手術の対象でした。しかし、現在はこれらの骨折を含め、転位の少ない骨折に対しても、早期の機能回復を取得する目的で、手術の対象となっています。

治療期間においても、保存的加療(ギプス固定)や以前の手術的加療(ピンニング・プレート固定)と比べ、飛躍的に短縮されています。

4年ほど前に橈骨遠位端骨折の掌側ロッキングプレートが開発され、現在の橈骨遠位端骨折の手術法は、このプレートを用いた手術(整復・内固定)を行っております。

この手術方法では、術後、1週間未満のギプスシーネ固定をし、その後の可動域訓練で、術後平均約4週間で、ほぼ受傷前の手関節の機能を取り戻すことができるようになりました。

中には術後2週間たらずで手の機能の回復を取得する方もおられ、手術的加療のすばらしい実績を実証しております。これからも整形外科分野では、様々な新しい治療法が開発されていくことでしょう。

新しい診療所として、地域医療に貢献し、医学の進歩に乗り遅れないよう勉強を続け、診断・治療をしていきたいと思います。

これからも、よろしくお願いいたします。

古賀 崇正